〜カムパネルラとは〜
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』でジョバンニと旅をする
友人なのは言うまでもありません。絵本が開く異世界
への道案内人としての意味を込めたものです。
Vol.27 2012年3月号 PDF版はこちら
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■ 子どもたちに読み聞かせしている絵本・・・・・・・・・・・・・・・エイドリアン・リース
■ 待つということ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤田 博
■ 飴を舐めると… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・柴生 彰
■ 誰かを愛しつづけることの大切さを教えてくれるこの一冊・・・・・・三寄 翔子
■ 新刊紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤田 博
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■子どもたちに読み聞かせしている絵本

エイドリアン・リース

 子どものとき、寝る前に絵本を読んでもらったのを覚えています。好きな作家があり、好きな絵本がありました。とりわけ好きだったのが、ロジャー・ハーグリーブスの「Mr. Menシリーズ」で、シリーズ中の人物すべてを空で言うことができるほどでした。いま、三人の子の父として、できるだけたくさんの絵本を子どもたちに読んでやりたいと思っています。ここではお気に入りのものから三冊を紹介します。
最初に、オーストラリアの作家グレイアム・ベースによるThe Waterhole、すばらしい絵のついたファンタスティックな絵本です。物語はシンプルな数え唄形式のもの、サイやオオハシ、カンガルーといった動物が出てきます。この本には、水を大事にすることや友情の大切さなど、深いメッセージが込められています。それぞれのページに隠された動物を探し出す楽しみも与えてくれます。AnimaliaやThe Eleventh Hourなど、ベースにはこの他にもお薦めの本がいくつかあります。
次に、ドクター・スースのHop on Popです。これはリズミカルな音が並んでいることで子どもたちが読みやすい、大変に有名な本です。ドクター・スースは数多くの本を描いています。いずれも豊かな想像力によって生み出された登場人物とリズミカルな音に溢れています。ドクター・スースの本の中で最も好きなのは、Hop on Popです。単純さとユーモアがその理由です。私の子どももすぐに理解します。絵も大好きです。これはドクター・スースの他の多くの本と同様に、iPad用の電子版もあります。対話可能なこれら電子版は、子どもの教育にとってより一層効果的です。
最後に、私の好きな日本の絵本をご一緒したいと思います。宮西達也の『きょうはなんてうんがいいんだろう』です。この物語に深いメッセージ性はありませんが、絵は大変にキュート、物語は愉快です。物語の多くの登場人物、その一匹一匹になり切って演じる機会を読者に与えてくれます。宮西達也はいくつもの本を描いています。その中では「ティラノサウルスシリーズ」にあるものが非常にすぐれています。
どの絵本を選んで読むにしても、聞いている人の楽しみを増すのは、どう読むかであり、読むことによってつくり出される雰囲気です。読んでもらっている本に子どもたちが喜んで耳を傾ければ、一人で更に読みたいと思うに違いありません。そうしてページの中に見出した楽しみを次の世代へと伝えていくのです。(訳:藤田 博)


 ※「The Waterhole」 /Graeme Base /Harry N. Abrams
※「Hop on Pop」 /Dr. Seuss/Random House
※「きょうはなんてうんがいいんだろう」/宮西達也/鈴木出版

(英語教育講座)


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