〜カムパネルラとは〜
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』でジョバンニと旅をする
友人なのは言うまでもありません。絵本が開く異世界
への道案内人としての意味を込めたものです。
Vol.1 2007年11月号
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■ 幼稚園児に人気の本

坂内 玲子

 附属幼稚園の3歳児に人気のある本を紹介します。

『もこ もこもこ』 たにかわしゅんたろう さく・もとながさだまさ え
 幼稚園にあるこの絵本は,ぼろぼろです。それは,子供たちが読んでもらっては喜び,自分で絵を見ては喜ぶ, とっても素敵な本だからです。「にょき」「もこ」「もぐ」「ぱく」「ぷー」こんな言葉だけでできている絵本ですが, 子供たちは,言葉と絵から想像したことを,実に楽しそうに話してくれます。子供の心をぐっとつかむ絵本なのです。

『せんろはつづく』 竹下文子 文  鈴木まもる 絵
 3歳児は,電車ごっこをするのが大好きです。保育室にある積み木や椅子は,子供たちによって電車の座席に大変身します。 電車ができると子供たちは,さっそく乗客になったり、運転手になったりして遊び始めます。子供たちがこの本に惹かれるのは, 自分が絵本の中に入ってしまっているからではないでしょうか。絵本の中の子供たちが,自分たちの手で線路をどんどん延ばしていき, 駅まで作るのですから,楽しくないはずがありません。ページをめくるたびに,「次はどこに線路が続いていくのかな。」と子供たちは,期待に胸をふくらませるのです。
 ※「もこ もこもこ」谷川俊太郎作/元永定正絵/文研出版
 ※「せんろはつづく」竹下文子文/鈴木まもる絵/金の星社

(附属幼稚園副園長)


■ 授業の場で活用している絵本について

成瀬  聡

 今年の5月下旬から6月初旬にかけて,物語文の読み取りの授業を行った。扱った教材は宮西達也氏の「ニャーゴ」(東京書籍 2年国語上)。 「ニャーゴ」の指導を通して,文章中の言葉をもとに,想像を広げながら読み取っていく力を付けるとともに, 一層読書活動に親しませていきたいと考え単元を構成した。単元の大まかな計画は以下の通り。
 (1)登場人物の様子や気持ちを話の順序に気を付けながら読み取っていく。
 (2)宮西達也の他の作品や関連する内容の作品(他の作者)を読み,感想を発表し合う。

 「ニャーゴ」の読み取りを終えた後,宮西達也氏の『おまえうまそうだな』を読み聞かせ,その感想を交流させた。 読み聞かせでは,みんな絵本を食い入るように見つめ,二人の心の交流や解釈のずれ(勘違い)の楽しさを味わいながら話に聞き入っていた。 読後の感想では「おもしろかった」「さいごはちょっとかわいそうだった」など,活発に意見の交流が行われた。 読書意欲が高まってきている中で,他の作品や関連する内容の作品を紹介したところ,ますます読書に対する意欲の高まりが感じられた。 紹介した本は『おれはティラノサウルスだ』『あなたをずっとずっとあいしてる』『おとうさんはウルトラマン』そして『びっくりたまご』『かんちがい』などである。
 昼休み後の読書タイムでは,夢中になって読書をしている児童たちの姿が今日も見られた。
 ※「おまえうまそうだな」宮西達也作・絵/ポプラ社

(附属小学校教諭)


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