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宮城教育大学創立50周年を記念し、附属図書館は、2015年10月16日(金)~18日(日)の3日間、せんだいメディアテークを会場に、「歴史のなかの教科書-思い出の教科書との再会」展を開催いたしました。
江戸時代から現代までの教科書、約4000点を展示し、期間中に約1400名の方にご観覧いただきました。
→ 主な感想・意見
附属図書館長 遠藤 仁
このたび仙台市教育委員会・仙台市民図書館のご協力のもと、10月16日(金)から18日(日)までの3日間にわたり、せんだいメディアテークにおいて教科書展を開催するはこびとなりました。本学附属図書館の所蔵する教科書を広くご紹介する展示会も10回目を数えますが、このたびは市民図書館との連携により、教科書教材として親しまれてきた児童書もあわせて展示致します。市民の皆様方にとって懐かしい教科書・児童書との再会の機会となれば幸いです。
誰もが手にしながら、役割を終えると忘れられてしまう教科書、それらは一見同じように見えて、学問や技術の進歩、国の施策、文化や社会背景の変化にともない様々な光を帯びています。教科書は、まさに時代を映す鏡と言うべきかもしれません。ページを繰るたびに懐かしい校舎や教室、厳しくも温かい恩師、旧友の笑顔、仲間と汗を流した部活等々、懐かしい日々の記憶がよみがえることでしょう。若い方々にとっては、親や祖父母の学んだ教科書と出会うこともあるでしょう。ぜひ懐かしい教科書を手に取りつつ、江戸から現代に至る教育の軌跡をたどっていただければ幸いです。
なお、10月18日(日)には、児童文学とその教材化に関する展示解説のほか、物語の朗読などの企画もありますので、ぜひ足をお運びください。
本学は今年、創立50周年を迎えました。その節目の年にこのような機会が得られましたことは、まことに喜びに堪えません。教科書展示の全般にわたってご監修くださった笠間賢二教授ほか、児童書展示の企画・解説にあたっていただいた中地文教授、児玉忠教授、企画・運営の全般にわたってご協力をいただきました仙台市教育委員会および仙台市民図書館に改めて厚く御礼申し上げますとともに、今後とも仙台市と本学との絆が強まることを願ってやみません。
1965(昭和40)年に設置された宮城教育大学は、東北における教員養成の拠点大学として、優れた教育者を世に送り出すため日々努力を重ね、2015(平成27)年に創立50年を迎えました。
当学はこれを記念し、附属図書館が所蔵する36万冊を超えるコレクションのなかから、江戸時代の教材である往来物をはじめ、明治時代から現代に至る多様な教科書の変遷を、広く展示公開いたします。
当学附属図書館が収集・保存に努めてきた教科書は約5万冊にも及び、歴史的な資料・証言として、極めて貴重なコレクションを構成しています。この展示会を通じて、多くの皆さまに、時代や社会・文化を映し出す鏡としての「歴史のなかの教科書」に触れていただければと思います。
年代ごとに大きく6つのセクションに分け、江戸時代の庶民の教育機関「寺子屋」で使用された教材「往来物」から、近代的な学校制度が発足して間もない明治時代初期の教科書、さらに、太平洋戦争下の教科書や、戦後のいわゆる「墨ぬり教科書」などを経て、平成の現代に至るまでの様々な教科書の変遷を「歴史のなか」で捉え返します。
→ 展示内容詳細
児童書は初等教育の教員を志す学生を中心に活用されています。仙台市民図書館と宮城教育大学が所蔵する児童書の中から国語の教科書に採録された物語教材とその原作(それを収録した児童書)を時代の流れにそって展示し、教材化される作品の特徴や傾向を考えます。
→ 展示内容詳細
懐かしい思い出に満ちた教科書と再会する場として、宮城教育大学附属図書館が所蔵する膨大な教科書コレクションの一部を、実際に手に取ってご覧いただけます。
1965年の創立当初から現在に至るまでの宮城教育大学の歩みを、当時の資料とともに振り返ります。
■ 日時:2015年10月18日(日)
■ 講師:児玉忠・中地文(宮城教育大学国語教育講座 教授)